電車回数券のちょっとした違い

回数券

 テレワーク(在宅勤務)をするようになって、通勤定期券を解約(払戻し)した方も結構いるのではないでしょうか?自分もその1人です。それでも週に1回とか、時々通勤するという場合は回数券を買うとお得になります。東京近郊の鉄道会社の回数券について、ちょっとした違いがあることに気付きました。

地下鉄と東急は区間の指定なし

 回数券は通常、利用できる区間が指定されています。例えば、JRで五反田から渋谷までの回数券を購入した場合、同じ運賃だからといって五反田から反対方向の田町に乗車するときに使用することはできません。

 ところが、東急電鉄はこの区間の指定がありません。自分は池上線の最寄り駅から事務所のある五反田まで乗車するため1枚当り160円の回数券を購入していますが、この回数券で東急線の全然違う区間(例えば、武蔵小杉ー自由が丘)に乗ることもできます。もちろん券に書いてある料金以下の区間に限られますが。

 東急と同じく区間指定がないのは地下鉄(東京メトロ、都営地下鉄)だけで、東京近郊の他の鉄道会社(JR東日本、京成、東武、西武、京王、小田急、京急、相鉄)は回数券に記載された区間でしか乗り降りができません。知りませんでしたが、“指定なし”の方が少数派なんですね。

小田急の回数券は独特

 回数券の“商品設計”は各社ほぼ同じです。その区間の運賃の10倍(10枚分)の料金で
 ・普通回数券=11枚
 ・時差回数券=12枚
 ・休日回数券=14枚
を購入できます。時差回数券(平日日中と土日のみ使用可)、休日回数券(土日のみ使用可)はJR、都営地下鉄では発売していません。有効期間はいずれも購入から3カ月間です。

 ところが、小田急だけは独特です。まず、回数券ではなく「小田急チケット10(テン)」と言うそうです(さっき知りました)。「レギュラー」「オフピーク」「ホリデー」の3種類は上記の3種類と同じ区分ですが、いずれも購入枚数は10枚で料金が安くなります。
 小田急チケット10発売額表(同社サイト)

 このチケットには表紙があり、利用の際は持参することが求められています。金券ショップでのバラ売りを避けるためでしょうか…。また、有効期間は2か月間と短くなっています。

 小田急以外の各社の回数券の割引率(普通に切符を買ったときと比較して何%お得か)は下記のとおりです。
  普通:9.1%  時差:16.7%  休日:28.6%
すべての区間を確かめたわけではありませんが、小田急の割引率はこれと同じかやや大きく(お得に)なっています。有効期間は短いですが、全体としては同じくらいのお得度合いということですかね。

 いずれにせよ、最も割引率の低い普通回数券でも9%オフですから、定期券は持っていないがある程度電車に乗る人は、昔ながらの回数券を上手く利用して家計の助けにしましょう。

(おまけ)ICカードに回数券を

 最近は駅で切符を買う人は少なく、自分もICカード(PASMOやSuica)を自動改札機にタッチして乗り降りすることがほとんどでした。しかし、回数券は紙でしか発売されていません。自動改札機は半分以上がICカード専用になっているのでぼんやりしていると後ろの人に迷惑をかけてしまいます。また、手先が不器用な自分は小さな切符を自動改札機にすんなり入れられるか、いつも密かにドキドキしています。それに、回数券があるのに間違ってICカードで改札を通ってしまったこともありました。

 かような緊張を強いられぬよう(ややオーバー?)、ICカードに回数券購入情報を記憶してもらえないかと思います。先月日経新聞に載っていたJR東日本の社長インタビューで「スイカによる回数券の販売」に言及されていますし、私鉄各社も検討してもらいたいものです。

 (2023年3月31日追記)
 東京メトロ、東急電鉄、小田急電鉄、JR東日本のいずれも、回数券の発売を終了しました。

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