電車賃も値上がり
昨年から「値上げラッシュ」の状況で物価高が続いていますが、今年は鉄道会社の運賃改定ラッシュです。
2023年春の運賃改定
首都圏の鉄道会社の初乗り運賃(交通系電子マネーでの乗車時)は下記のとおりです(改定前→改定後。都営・京成は改定予定なし、都営・京急・京王・京成以外は3月18日改定)
- 東京メトロ 168円→178円
- 都営地下鉄 178円(改定なし)
- 西武、東武、相鉄 147円→157円
- 京急 136円→150円(2023年10月~申請中)
- JR東日本 136円→146円
- 東急 126円→140円
- 京王 126円→140円(2023年10月~申請中)
- 小田急 126円→136円
- 京成 136円(改定なし)
私が物心ついた頃は、国鉄(現JR)が120円、東急は70~80円でした。東急が特に安かったこともありますが「国鉄は高くて私鉄は安かった」です。初乗り以外も上がっているので、改札を出るときに200円台の料金が表示されることが増えた気がします。
なお、京急、東急、京王以外の各社は「鉄道バリアフリー料金制度」を利用した運賃改定です。これは、駅などのバリアフリー化を進めるための費用を運賃に上乗せできる制度です。
回数券も軒並み廃止
FPとしては自衛策をお伝えしたいところですが、回数券もここ数年軒並み発売が中止されてしまっています。上記の会社の中で、販売を続けているのは京急、京王、京成のみです。「京」がつく会社で覚えやすいですが、それもいつまで続くことか。
廃止と前後して、pasmo、suicaで乗車した回数に応じてポイントが付与されるサービスを始めた会社もあるので、定期券以外でよく電車に乗る方は登録してみるとよいでしょう。
JRはオフピーク定期券の発売開始
JR東日本は、オフピーク定期券の発売を開始しました。これは、「平日朝のピーク時間帯以外は通勤定期券として利用可能」で、「改定前の通勤定期券より約10%値下げ」された定期券です(同社サイトより)。「ダイナミックプライシング」と呼ばれ、航空業界では多客時と閑散期、1日の中でも時間帯によって料金が違うのが当たり前ですし、プロスポーツの入場チケットにも導入されてきています。鉄道業界ではまだ珍しいですが、利用が拡大して通勤ラッシュの緩和(分散)につながるのか、注目です。
ただ、企業サイドから見ると社員に利用を促せるか疑問です。10時始業の会社はよいでしょうが、9時始業の会社が「当社は全員10時出社にして、オフピーク定期券の料金分のみ支給します」とするのは難しいでしょう。仕事の都合等で9時までに出社したい、という社員もいるでしょうし。
会社はあくまでも今まで通りの基準で定期代を支給して、社員の方が(会社に内緒で?)オフピーク定期券を購入し、フレックスタイム制を活用して出社時刻を毎日ずらす、といった利用もあるのでしょうか…。(小遣いをこっそり増やしたいサラリーマンならありえる?)
テレワーク可能な会社など、既に通勤交通費の支給を見直している会社もあります。支給金額だけではなく、オフィスに全員が同じ時刻に集まって仕事をする必要があるのか、というところから考えてみてもよいでしょう。