全世界株式ファンドの選び方

 最近は、1つのファンド(投資信託)で日本を含む全世界の株式に投資できるものが結構あります。信託報酬も下がってきたので、「これ1本で充分!」と言えるものもあります。そこで、つみたてNISAで購入できる、信託報酬の低い全世界株式を見てみたいと思います。

つみたてNISA対象 全世界株式インデックスファンド

 信託報酬の低い順(コストのかからない順)に4本を見てみます。

つみたてNISA対象のインデックスファンドで全世界の株式を投資対象としているファンドのうち、信託報酬の低い4本

 信託報酬が0.1%をわずかに超えるレベルで世界中の株式に分散投資できるなんて、本当にいい時代になりました。②と③は純資産が少ないですが、これは運用開始から日が浅いためなので問題はないでしょう。

 右端の投資地域の比率は思っていた以上にバラツキがありました。一口に「全世界株式」「インデックスファンド」と言っても中身は結構違うんですね。

ベンチマークの違い

 連動を目指す指数(インデックス)をベンチマークと呼びますが、ここに違いがあります。FTSEとMSCIはこういった指数を作成・公表している会社で、これ以外にも様々な指数を公表しています。①と④に記載の「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」はどちらも、世界中の株式市場の指数を時価総額で加重平均したものなので、多少の違いはありますが地域比率は近いものになっています。

 株式市場全体に占める日本の株式市場の割合は6~7%で、アメリカに次ぐ2番目の規模です。1位のアメリカは断トツの規模で約6割を占めています。①や④を購入すると、半分以上は米国株式を買っていることになります。

 ②と③が参照しているMSCIコクサイ・インデックスは、日本を除く先進国の株価指数に連動する指数MSCIエマージング・マーケット・インデックスは新興国の株価指数に連動する指数です。②は各国のGDP比率、③は3地域を均等比率としているため、投資地域の比率が異なっています。いずれも、①や④より新興国の比率が高いので、よりハイリスクと言えます。

目論見書のチェックを!

 先程のデータは、①の投資地域比率を除きすべて目論見書(もくろみしょ)から引用しました。純資産や信託報酬は証券会社サイトのファンド情報でも見られますが、実際どこの地域の株を買っているかは目論見書まで見ないとわかりません。「こんなに新興国の比率が高いと思わなかった」などとならないよう、積立する銘柄を決める際には目論見書をきちんとチェックしたいものです。

 (ちなみに、①の投資地域は目論見書にも記載がありませんでしたが、ベンチマークが「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」1つなので、この指数がどのように算出されているかをFTSEのサイトから調べました。そこまでしなくても「FTSE・・・とは?」と調べれば比率はわかります)

 投資したい地域の比率がファンドの比率と合致すれば、①~④のどれを購入してもよいと思います。新興国多めがよければ②、日本多めがよければ③、現状の株式市場の比率でよければ①か④。どれも気に入らなければ、日本株、先進国、新興国それぞれのファンドを購入することになりますが、それはまた次回以降で。