日経平均とTOPIXの違いは?

 今週は日本の株式市場が好調で、日経平均株価が3万円台回復というニュースがありました。また、東証株価指数(TOPIX)がバブル期以来の高値を記録したというニュースもありました。

 日経平均と東証株価指数(TOPIX)、どちらも日本の株式市場の値動きを表す指数ですが、どういう違いがあるかご存じでしょうか?

日経平均株価

 日経平均株価は東証一部に上場されている銘柄のうち、代表的な会社225社の株価を単純平均したものです。225社なので「日経225」とも呼ばれます。

 単純平均なので、株価の高い「値がさ株」の影響を受けやすいという特徴があります。

東証株価指数(TOPIX)

 東証株価指数(TOPIX)は、東証一部に上場されているすべての会社の株価を、1968年1月4日を100として指数化したものです。「時価総額加重平均型」で算出されるため、時価総額(株価×株数)の高い会社、つまり大きな会社の動きが大きく反映されるという特徴があります。

 東証一部に上場されている会社は2,189社(2021年9月2日現在)あるので、日経平均株価の約10倍の会社の株価を反映していることになります。

どちらに連動するインデックスファンドがよいか

 日本株のインデックスファンドを購入しようとすると、日経平均株価に連動した成果を目指すファンドと、TOPIXに連動した成果を目指すファンドがあります。これから買おうとするとき、積立を始めるときにはどちらを選べばよいのでしょうか?

 2つの指数の動きにそれほど大きな違いはありませんが、上述の通り、日経平均は比較的規模の大きな225社だけの平均なので、日本の株式全体の動きをカバーしているとは言えません。インデックスファンドの指数としては、より分散効果のはたらくTOPIXの方が望ましいと考えます。実際、個人的に持っている日本株インデックスファンドのベンチマークはすべてTOPIXです。

 もちろん、実際にどちらのリターンがよくなるかはわかりませんので、「TOPIX連動の方が儲かりそうだ」という意味ではありません。「より投資対象として適切と考えられる」ということです。

 なお、来年4月~東証の市場区分がプライム、スタンダード、グロースに再編され「東証一部」はなくなります。では、TOPIX連動のインデックスファンドはどうなるの?という疑問が湧いてきますが、結論だけ言えば当面はほとんど影響がなさそうです。