多くの人が恒大グループに投資しています

 先週、中国の不動産大手・恒大グループの経営危機が報道され日米をはじめ世界の株式市場にも影響が出てきました。

(参考)中国恒大、なぜ経営危機? 政府の方針転換に翻弄―ニュースQ&A(jiji.com)

 破綻したら世界経済に影響が出るのでは、という報道がなされていて、どうなるかは正直私にはよくわかりません。破綻すれば一時的に日本や海外の株価も下がるかもしれません。ただ、だからと言って今保有している投資信託を売却したり、積立投資をやめてしまうのは、長期投資を勧める立場としては疑問です。

GPIFも恒大に投資しているのは当たり前

 日本の公的年金に充てる資産を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、恒大グループの株式や債券を保有していることが報じられています。

GPIF、中国恒大への投資額は96.73億円(ロイター)

 知らずに読むと、GPIFが「恒大の株や債券を買おう」と決めて保有しているように感じるかもしれませんが、GPIFの運用はパッシブ運用(インデックスファンドへの投資)が中心です。現在は日本株式、日本債券、海外株式、海外債券を25%保有する方針なので、世界中の株式・債券に分散投資しており、その中に恒大の株式や債券も含まれている、ということです。

 96億円というと莫大な金額を投資しているように見えますが、記事にもある通りGPIFは186兆円もの資産を保有しているので、比率で言えば0.0052%です。「日本の年金資産にも影響が」というほどのレベルではないことがわかります。

全世界対象のファンドには含まれている

 中国の株式は投資の世界では「新興国株式」に含まれており、前々回の記事で見た「全世界株式」インデックスファンドは新興国株式も一定の比率組み入れられています。ですから、全世界株式に投資するインデックスファンドを保有している人も、恒大グループに投資していることになります。

 私もそうです。私の場合、比率までは計算できませんが、GPIFと同レベルと思われます。

分散投資の重要性

 どうでしょう、インデックスファンドならリスクが低いと思って投資したのに破綻するかもしれないと思うと怖いですか?いえ、注目すべきはこの0.0052%という保有比率の低さです。これこそ分散投資の効果です。
 世界中にたくさんの会社があって、どの会社が高成長で株価が上昇して、どの会社が倒産するかは、事前には分かりません。だから分散投資が大事なのです。

(余談)恒大と言えばサッカーの広州恒大

 サッカーファンとしては、恒大と聞くとプロサッカーチームの「広州恒大」が思い浮かびます。資金力を背景にブラジル人選手などを集めた強豪で、アジアのサッカークラブ№1を決める「アジア・チャンピオンズリーグ」の常連です。私は浦和レッズサポなので、2019年のACL準決勝のイメージが強いです(埼玉で行われた第1戦、見に行きました)。むしろ不動産会社であることを最近知りました(笑)