ETFと投資信託の違いは?

ETF(イーティーエフ)という商品を聞いたことがあるでしょうか?日本語では「上場投資信託」と言いますが、普通の投資信託とどこが違うのか、ご存じでしょうか?

ETFとは

 「上場投資信託」の名前のとおり、株式市場に上場された投資信託のことです。投資信託の一種なので、多くの投資家から集めた資金を多くの銘柄に分散投資する仕組みは同じです。例えば「日経平均に連動するETF」と「日経平均に連動する投資信託」ならほぼ同じリターンが期待できます。

 日本国内の市場に上場しているものを「国内ETF」、海外市場に上場しているものを「海外ETF」といいます。ETF全般の特徴は国内海外共通ですが、今回の記事では国内ETFについて説明します。

注文方法が異なる

 投資信託の価格(基準価額といいます)は1日に1回しか算出されずず、普通の投資信託では基準価額を指定して購入・売却の注文を出すことはできません。積立購入なら「毎月3万円」、一括購入なら「10万円購入」のように、金額を指定して注文し、基本的には翌日の基準価額で購入されます。そのため、「基準価額を見て注文したのに、思っていたより高く購入することになった」ということもありえます。

 それに対し、ETFは株式市場に上場しているので市場が開いている時間はリアルタイムで価格が変動します。注文の仕方も、個別の株式と同じように「指値」か「成行」で、口数を指定して購入します。

 指値注文(価格を指定して、その価格より高いときには購入しない注文方法)を利用すれば「思わぬ値段で購入」してしまうことがないのはメリットです。しかし、銘柄ごとに売買単位が決まっているので「10口単位」「100口単位」等でしか注文できず、投資信託のように「ちょうど10万円分購入」はできないというデメリットもあります。

信託報酬は安いが購入時手数料は必要

 ETFは信託報酬(保有している間ずっとかかるコスト)が安いのが特徴で、例えばTOPIX連動の商品なら年0.1%を切るものもあります。ただ、インデックス型投資信託も競争が激しくなって0.15%前後となっているため、以前に比べると差が小さくなってきました。

 一方で、株式と同様に購入時には証券会社に支払う手数料が発生します。ネット証券であれば(金額にもよりますが)数百円ですので、一括購入して長期保有するのであれば、ETFを選んでもよいと思います。

 しかし、積立投資のような複数回での購入には不向きです。前述のとおり購入金額での注文ができず、そもそもETFの積立投資自体が限られた証券会社でしかできないので、積立投資なら普通の投資信託を使ったほうがよいと思います。つみたてNISA対象となっているETFも何本かありますが、特にメリットを感じるものはありません。

「インデックス型」も千差万別

 国内ETFは何らかの指標(指数)に連動するファンドしか認められていないのですべてが「インデックス型」と言えますが、対象の指標は様々です。
  ETF 銘柄一覧(日本取引所グループのサイトにとびます)

 日本株でも、有名な日経平均やTOPIX以外にたくさんの指数がありますし、海外株式や不動産、商品市場に連動するものまであります。「ETFなら低リスク」というわけではありませんので、投資信託同様、自分が「どこの何を買うのか」をよく考えて購入しましょう。