新NISAに向けた盛り上がり

 明日から9月、新NISAの開始まであと4ヵ月です。これから投資を始めようという人を取り込もうという金融機関や運用会社の動きが活発になっています。テレビCMでも「新NISA!」みたいなのを見ましたし(どこのCMだったかは忘れてしまいました)。

「eMAXIS Slim」信託報酬引き下げ

 低コストのインデックスファンドとして知られる「eMAXIS Slim」が信託報酬(保有している間かかるコスト)の引き下げを発表しました。9月8日から、同シリーズの全世界株式3本(オールカントリー、除く日本、3地域均等型)の信託報酬率が0.05775%以内(税込・年率)となります。

 「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトに沿って、以前も書いた「Tracers」や野村アセットマネジメントが新たに設定したファンドに対抗するためのようです。新NISAもにらんでのことなのでしょう。「eMAXIS Slimを毎月買っておけばいいんでしょ」ということで分かりやすいので、FPとしても個人としてもありがたいです。

 今までは信託報酬0.2%くらいまでは許容範囲かなと思っていましたが、ここまでくると乗り換えたくなりますね。iDeCoだったり、口座を開いている証券会社で取扱いがなかったりで無理な場合もありますが。

SBI証券、楽天証券 日本株売買手数料無料

 個別の会社の株を売買するときは、口座のある証券会社に売買手数料を支払う必要があります。SBI証券、楽天証券は今でも50円~数百円程度とかなり安くなっていますが、無料にするとの発表がありました。SBI証券は9月30日発注分から、楽天証券は10月1日以後の手数料コース変更後の発注分からです。

 来年からの新NISAでは、「成長投資枠」で年240万円まで個別の株式も購入可能なので、これを見越した動きなのでしょう。「長期分散積立投資」だけであれば関係ないかもしれませんし、個別株式を多少持つ人でも頻繁に売買しなければ、それほど影響は大きくないです。でも、インパクトはありますね。

 私も株主優待のある会社の株を趣味で何社か持っているので、これから売買するときには恩恵を受けられそうです。一方で、「証券会社はどうやって利益をあげるのか?」という疑問もあり、他の証券会社も含めて動向を見守っていきたいと思います。