金融教育を進める新たな法人と中立的なアドバイザー
臨時国会が10月20日に召集されるというニュースの中で、「幅広い世代を対象に金融教育を進める新たな認可法人を設置するための法律の改正案などの成立を図るため」というところにFPとしてはビックリでした。これまでの経緯を知っていたとはいえ、自分の仕事にドンピシャ関わることが理由で国会が召集されると聞いたら驚きませんか?(他にもたくさんの法案を審議するのはわかっていますが)
これまでの経緯と積立投資(や私の仕事)にどう関わってくるのか、簡単に見ていきます。
資産所得倍増プラン
昨年11月に発表された「資産所得倍増プラン」では、NISA制度の拡充・恒久化が注目されました。それ以外にも「消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促す仕組みを創設することとし、中立的なアドバイザーの認定や支援を行うことを定めた法案を、次期通常国会に提出する」とされていました。
この法案が、今年1月に召集された通常国会で成立しなかったから臨時国会で審議・成立させようということで、新たに出てきた話ではないということです。日本銀行の金融広報委員会を移管して2024年春には新たな機構(金融経済教育推進機構=仮称)を発足させたいとのことで、急いでいるんですね。
中立的なアドバイザー
金融機関に所属するFPは、自社の商品を販売して利益を得たいと考えていることがほとんどなので、そういった矛盾を排除し、独立した中立的な立場でアドバイスできるFPが必要だと思い私も活動しています。
金融経済教育推進機構(仮称)の役割として、金融経済教育の充実・強化とともに中立的なアドバイザーの認定や支援を行うことが想定されています。「私は金融商品を販売しない、中立的な立場です」ということを国が認めてくれるのはありがたいことです。
また、現在は登録した業者しか行えない投資助言業務の要件緩和等が検討されるとのことで、この「グレーゾーンん」が気になっていたFPとしてはこれも歓迎です。「株で儲ける方法教えます」みたいな怪しげな業者を規制するための法律は必要ですが、インデックス派の「e-Maxis slimを買っておけばいいですよ」「個人向け国債はおすすめです」といったアドバイスまで登録が必要なのか、常々疑問に思っていました。
「衆議院解散」の噂もありますが、健全な投資と健全なアドバイザーの発展に寄与するような法案が早く成立することを期待しています。