進む円安、金利は少し上昇
4月はすごい勢いで円安が進みました。利上げのペースを速めるアメリカと、ゼロ金利政策を維持する日本の金利差が拡大することが原因ですが、日本でも金利上昇の動きが少し出てきています。
進む円安
USドルと円の為替レートは、2019年以降概ね105円~110円の間で推移していました。昨秋以降は110円台となり、今年3月途中からは一気に円安が進み、4月28日には130円台も記録しました。為替レートは、このように一度どちらかの方向に動き始めると一気に動くことがあります。
テレビニュースでも再三報道されていましたが、円安が進んだ理由は日米の金利差が拡大しつつあることです。アメリカは速いペースで利上げを進めると見られているのに対し、日銀はゼロ金利政策を維持する方針を示しています。基本的に、利率の高い通貨が買われ低い通貨は売られるので、円安が進んだというわけです。
基本的には何もしない
だからと言って、積立投資にあたっての方針を変えたりアクションを起こす必要はありません。特に、「円安で外国株式の投資信託が値上がりしているから売却しよう」などと考えないことです。長期での投資を前提にしているのですから、淡々と積立投資をして、保有し続けることです。短期的な為替・株価の動きに反応して売り買いするのは長期投資の方針に反します。
ただし、例えば日本株と外国株の投資信託を半々で購入しているものの、外国株の比率が6割超になっている場合などは一部を売却して日本株の投資信託を購入してもよいかもしれません(「リバランス」といいます)。
日本の金利もじわり上昇
日銀の金融政策は変わっていませんが、市場の金利は上昇傾向(日銀が上限としている0.25%近く)にあり、日銀が国債を買い入れることでそれ以上の上昇を抑えています。
こういった傾向を反映して、10年国債の利率をベースにする住宅ローンの固定金利も上昇傾向にあります。変動金利は別の利率をベースにしているので今のところ動きはありませんが、これから住宅ローンを組む人も、既にローンを組んで返済中の人も注意が必要です。
投資に回さない「非リスク資産」の置き場としておすすめの、個人向け国債(変動10年)の利率も少しだけ上昇しています。長らく最低保証の0.05%(税引前の適用利率、以下同じ)が続いていましたが、今年1月募集分から少しずつ上昇し、4月募集分は0.13%となりました。既に保有している人も半年に1度利率が見直されるので、そのまま持っていても大丈夫です。
為替も金利も情勢が変わりつつありますが、必要以上に一喜一憂せずに、長い目で資産形成を続けていきたいものです。