お金を増やしてくれる人はいない
お笑い芸人が投資トラブルに遭って番組を降板、所属事務所も退社したと報じられています。自分のお金を預けて上手くいったので後輩の芸人らにも勧めてお金を集め、被害額は7億円とも言われています。
投資運用業の登録が必要
FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)の試験勉強をしたことがある人はご存じと思いますが、人のお金を預かって運用するには、「投資運用業」の登録が必要です。登録をせずに運用していた場合は、金融商品取引法違反ということになります。
だから、誰かにお金を預けるときは投資運用業の登録を受けているか確認しましょう…ということではありません。それ以前の問題として、「高配当・高利息でお金を増やしてくれる人」なんていないと思ったほうが良いです。
「ローリスク・ハイリターン」はない、「ノーリスク・ハイリターン」は詐欺
オリラジの中田さんがユーチューブで解説されたそうです。
オリラジ中田 TKO木本がダマされたのはポンジ・スキームと推察「完全に詐欺」(yahoo!ニュース)
「ポンジ・スキーム」というのは古典的な詐欺の手法で、今回の件もそうかは私にはわかりません。ただ、「リターンの相場は4%~8%がほとんど」「余剰資金の中でコツコツで買おうねって世界。そこに付け入るスキないんですよ私募ファンドなんて」(いずれも上記の記事より引用)というのはその通りだと思います。
株式投資の期待リターンが5%前後で、これとて毎年5%のリターンをあげることはプロでも容易ではありません(というか、“確実に”は無理)。以前も書きましたが、個人向け国債や預金利息など無リスク資産の利率を上回るリターンを「確実に」得られると言ってくる人がいたら、詐欺だと思ったほうがいいです。
都合よく解釈しない
「詐欺になんて引っかからないよ」と思う人が大半でしょうが、悪質商法に騙される人が後を絶たないのも事実です。
たしかに、有名人でもお金持ちでもなければ詐欺師に声を掛けられることは少ないかもしれません。しかし、「あの証券会社は評判がいい」とか「あの保険会社の商品はリターンが高い」とか思って投資をしている人はいないでしょうか?証券会社や保険会社等で販売されている金融商品は詐欺ではありませんし、利益が出ることもあるでしょう。しかし、「自分の知らない、良い投資手法・商品を知っている人(会社)がいる」と思って投資をしていれば、発想としては先程の詐欺に遭うケースと同じです。
「自分にはよくわからないけど、お金を増やしてくれる人(会社)」はいません。もし、「減ることもあるかもしれないが運用して増やしたい」のであれば、自分で勉強して少しずつ投資をするしかありません。私もそのように思って積立投資をしている1人ですし、FPとしてそういった考え方を広めていきたいと思っています。